今日もぬりえ日和

趣味のぬりえの話を中心に、部屋の片付け奮闘記など

【実践編】色の使い方が上手くなる混色のススメ

以前の記事で、混色を積極するとこんな良いことあるよ、と書いたので実際に混色していくにあたって、今回は実践編で色の混ぜ方が分かりやすくなる考え方や知識編です

suzune86.hatenablog.com

目次

1.混色と重色の違いについて

実は混色と言っても種類があって、色鉛筆の重ね塗りは「重色」といいます
混色は水を介して絵の具を混ぜて色を作る事を指すことが多いです
透明水彩は重色、混色、両方を使いこなす人が多く、色の使い方が上手い方が多いです


混色は絵の具等を混ぜて色を作りますが、重色は透明な色のセロファンを重ねるように複数の色を重ねて色を作ります

 
重色は濁りにくいのが特徴だけど、重ねてみないと出来上がりの色が分かりにくいのが難点

絵の具で混色はパレットで混ぜて出来た色をそのまま塗れるので、分かりやすいのだけど
重色より濁りやすく、色みの理解が必要になります(水彩は特に、色相環上での位置が離れるほど濁りやすい)

2.色みって何だ

色み(色相)というのは、暗いとか灰色ぽいくすんだ色とかじゃない、色そのものの種類の事

色は黒や灰色等の無彩色とそれ以外の有彩色の二種類に分かれるんですが、有彩色は赤、黄、緑、青の4つの系統に分かれて、隣の色(例えば赤から黄色など)に変わるまでの色のグラデーションで出来たドーナツ状の輪っかから、24または12の色を取り出して円状に配置したものを色相環といいます、この色相に明るさ(明度)と鮮やかさ(彩度)をあわせて色の三要素といわれます

ぬりえの話なので色の知識のお話が出てきて面倒だなぁ…と思う方もいると思いますが、
色彩は結構知識がものをいいます、闇雲に色を組み合わせてみるより、きっちり知識を学んだ方が色彩センスを磨く近道になりますので、今は頭の片隅に入れておくだけでもいいので、もう少しお付き合いください

基本知識は色彩検定3級の本に分かりやすくまとめられてていて、本も沢山出ていますのでオススメです

なお、私も最近学び始めた所なので、よく分かってない、もしかしたら前違えてる部分もあると思うので、本を読んで正しい知識を学んでもらえると嬉しいです

 

自分はこの本を読んでますが、わかりやすくてオススメです。2級と一緒になった本の方が入手しやすいんですがこっちのほうが範囲が狭い分まだ読みやすいかなと思います


本は最初の段階で読んでも問題ないのですが、色相環の色相名が「紫みの赤」という表記なので、色みの違いがある程度分かるようになっていると分かりやすいと思います

色彩検定自体はそれなりのお値段がするので受ける事は考えなくて大丈夫です

で色みに話を戻すと、この色みは分解できまして
例えば黄色だったら、山吹色はちょっと赤が混ざった黄色、レモン色はわずかに緑の入った黄色です

色相環は赤→黄色→緑→青→再び赤までの色の変化のグラデーションを輪にしたものなので、色相で言う黄色は純粋な黄色と赤より、緑よりの黄色の大きく3種類に分かれます、そしてその割合の差で色相だけでもかなりのバリエーションがあるわけです

とはいえ、色鉛筆のレモン色を見て「緑なんてある?」って思う人も多いと思います
これを感覚的に分かるようになるために、混色、重色を積極的に試すのが重要になるわけです

作りたい色を作るために色々試行錯誤してると、なんとなくこの違いが分かってきます
これが分かるかで、色の理解度に大きく差が出ると思います

色には色相の他に2つの要素、明るさ(明度)と鮮やかさ(彩度)がありますが、検定3級で学ぶPCCS表色系は色相に明度と彩度の似た色をグループ化したトーンと組み合わせて色を表記するやり方で、色相+トーンの実質二つを考えればいいので、まずは色相の違いが分かる事を目指してみましょう


実践編


てっとり早く学びたいなら水彩を使ってみても

ここは色鉛筆についてのお話がメインではあるのですが、正直てっとり早く学びたいなら水彩で混色遊びをしてみるのもいいです

重ねないと分からない重色と違い混色はパレットの上で色が完成するので分かりやすいのが特徴です

ただ、色相環上での離れた色同士で混ぜると濁る(鮮やかさが落ちる)という特徴があって、目当ての色を作るのに色みの違いをかなり意識する必要があります

例えば橙色を作るのに色相環上で離れた黄色と赤を混ぜるとあんまり鮮やかにならないけど、”赤みの黄色”の山吹色と”黄みの赤”の朱色を混ぜた方が鮮やかなだいだいになります

あと、違う色をほんの少し混ぜた色は色鉛筆の重色で作るのは大変です
”青みのある赤”の紅色や”赤みのある青”の群青色等は混色で作れた時に「これで作れるのか」ってちょっと感動しました

実践で学ぶという点では混色が出来る水彩などの絵の具の方が、分かりやすいので、将来的に水彩でも塗れたらいいなぁと思ったら早めにやってみるのも手だと思います、あと子供の絵の具が残ってたら使ってみるのもありですね、ただ学校の絵の具は不透明水彩という種類で透明水彩より濁りやすいのでその点はご注意を

2.まずは似た色みの色を重ねてみよう

色鉛筆に話を戻しますと、いきなり黄色と青を重ねて緑を作ってもいいのですが、全然違う色を重ねる場合、キレイに塗らないとムラが目立ちやすくなります

なので最初な色みの似た色、ピンクと紅色とか、だいだいと赤などを重ねてみるといいです

3.最初に塗った色は最後まで影響する

重ね塗りの混色で1番重要なのは最初に塗る色、なので塗る順番はとても重要です

初めから濃く塗って失敗したらと淡い色を塗ったら塗り重ねても全然濃くならない、この失敗、私は最近までしょっちゅうやってました

濃い色を塗りたいなら、なるべく最初に明るい、明るい、淡い色を塗るのは避けた方が良いです

あと、最後まで色が影響するので、より強く残って欲しい色を下に塗るといいのですが
黄色などの明るい色に青などの明度の少し暗い色を重ねても色がのりづらいです

とはいえ、薄い色から先に塗った方がいいと書いてる講座も多く、色による部分もあると思うので、お試ししてから塗ってみるといいかもしれません

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4.色相環を意識すると分かりやすい

冒頭の方でお話した、赤→黄→緑→青→赤のグラデーションで作られたドーナツみたいな輪っか、それをわかりやすく24等分にして円状に色を並べたものが色相環です

黄色を色相で分類すると、純粋な黄色、赤の入った黄色、緑(青)の入った黄色の3種類に分けられるんでしたね

だったら黄色と青で緑を作る時、黄色の代わりに赤みのある山吹と緑みのあるレモン色を使った時、同じ色になるわけがないですよね

 

赤が入った山吹は少し濁った不思議な緑になり、緑が入ったレモン色は黄色を使った時より青みのある爽やかな青になります

鮮やかさではレモン+青が一番ですが、山吹+青も不思議な深みのある素敵な色ですね

作りたい色に合わせて、使う色を選ぶ際に色相環を思い浮かべて、この色はどっちよりか考えて組み合わせると、思った通りの色が作りやすくなります

あと色相環を使っての重ね塗りで重要なのが”補色”です

例えば赤い色をじーと見てから白い壁などを見ると青緑の残像が見えるみたいな話聞いたことありませんか、その色のことを心理補色といい、色相環で反対側にある色同士が心理補色になります

心理補色同士は混色すると黒になるのですが(実際は混色でも黒ではなく暗い茶色なる)、重色は濁りにくいのでほどよく暗い色になるので影などを塗る時に補色の色を重ねて影の
色を塗ったりします


5. 試し塗りや自由な色を塗れるぬりえを選んで色々試そう

…やっと実践的な内容になりました、お疲れ様です、いや…ほんとうごめん

ぶっつけ本番でやって失敗してぬりえが台無しになっては元も子もないので、積極的に混色を試したい時はそれに合わせた線画を選んでみるのも手です

選ぶポイントは”塗る色が決まっていない物を選ぶこと”と”現実的な絵を選ばない事”です

シンプルすぎますね
例えば曼荼羅みたいな模様や花など、使う色が厳密に決まってない物を選びます

子供用のアニメ等あらかじめ色が決まっているもの、これはこの色だろという思い込みがあるものは避けたほうがいいです

まぁ花だと、葉や茎は緑系ならばなんでもOK位のゆるさで行けるものを選ぶこと、これだと作った色が思った色と違っても、最終的に上手くバランス取れればOK、たとえ失敗してもこれからに活かせると思えばいいんです

あとリアルに近いタッチのぬりえは、不自然な色があると悪目立ちするので避けた方がいいです

童話みたいなファンシーな絵柄なら、多少あり得無さそうな色になっても気にならないのでオススメではありますが、作った色に深みが出るので、キレイ色をメインにした方が良いようなぬりえは若干向かないかも知れません、ただキレイ色縛りの配色は簡単そうに見えてかなり難しいので、要所要所に混色した色をいれるといいと思います


もちろん他の紙で試し塗りをしてから塗るのも手です、ただ狭い範囲だとつい色が濃くなってしまい、試し塗りの時とページを塗った時の色が違ってしまうこともあるので、そこは気をつけてください

長い上に一見ぬりえと関係ない色彩の話ばかりですみませんでした、けど知識はきっと色彩センスを磨くのにめちゃくちゃ約立つので学んでみて損はないと思います、というか自分はもっと早く知りたかった…